サッカーと宗教と格差
April 3rd, 2007
今日、仕事でマンチェスターの大学から来日している2人の教授とお話しする機会があったので、「シティ?それともユナイテッド?」と話を振ってみました。二人ともさほどフットボールには興味がないようで「どちらでもない」との返事でしたが、「ユナイテッドはマンチェスター市の外ではダントツに人気があるけど、市内は断然シティの方が人気」だと会話には乗ってくれました。これは、市内には労働者階級が多いことと、シティは伝統的に労働者階級との関係が深いチームだったことが影響しているとのこと。一方、市内の上流階級はユナイテッドファンが多いそうです。
さらに、マンチェスターの歴史をたどると、労働者階級の多くはアイルランドからの移民やその子孫が多いため、シティはアイルランドの国教であるカソリック教徒のファンが多く、これに対し、ユナイテッドはイングランドの国教の影響でプロテスタント系のサポーターが多いんだそうです。
このことを考えると、マンチェスター・ダービーが加熱するのは単にチームに対する忠誠心だけでなく、社会的身分や宗教の対立など、いろんな背景を背負っているためにあそこまで行ってしまうんだと納得できます。俊輔のいるセルティック(アイルランド系/カソリック)とレンジャーズ(プロテスタント)も宗教の代理戦争として有名ですよね。今日お話しした教授たちによれば、リヴァプール(上流階級)とエヴァートン(労働者階級)のダービーマッチも、歴史的には格差の代理戦争という側面があったそうです。
ヨーロッパのフットボール/カルチョを見るときにはそれぞれの地域の歴史を勉強していた方がより楽しめることを実感した会話でした。
あとスペインだとモルボとか言われるものがあるそうですけど、Jリーグだとそれほど根深い格差ってなさそう。ホームアドバンテージとか無いもんね。
公明党と共産党がそれぞれサッカークラブ持ったら、その対戦はけっこう盛り上がるかなあ。アル・イケダド対ディナモ尼崎とか・・・だめか。
サッカーのこういう側面は面白いですよね。日本では馴染みの無い感覚なだけに…
セルティックは元々、アイルランド移民への資金援助を目的として創設されたとTVで知りました。
少し前までセルティックは本当にカソリック(レンジャーズはプロテスタント)の選手しか入れない暗黙の了解があったようです。その意味でも両チーム間の移籍はまずありえない事だったと…今シーズンセルティックに入団したFWミラーが、史上初めて両チームに在籍した選手になったそうです